個性を潰さないボイトレ
こんにちは!トレーナーの山崎です。
ここ数日、急に寒なりましたね。もう今日はダウンを着て来てしまいました。
僕は基本的に暑いのはいくらでも平気なのですが、寒いのはダメで凍えています。
最近レッスンをしていて、うちの生徒さんって歌えている人多いよなーと思います。
これ、色んな意味で「ボイトレをしているから当たり前」ではないんですよね。
まず自画自賛になってしまいますが、世界初、ポップスの為のメソッドである東京ボイトレ法・頭式呼吸は本物ですね。僕自身、元々は皆さんと同じ歌えない一生徒でしたし、未だに進化し続けているのでその効果は日頃から強く実感しています。ただいくら正しい方法論があっても、それを実践しなければ当然何も変わりません。一番はレッスンで教わったことに、しっかり取り組んで頂いている生徒の皆さんの努力による変化だと思います。何かに継続的に取り組むことって結構難しいですよね。いつもありがとうございます。
ポップスは個性
さて、今日は「個性を潰さないボイトレ」というお話です。
突然ですが、ポップスのアーティストにとって一番重要なことは何だと思いますか?
呼吸でしょうか?正確な音程でしょうか?声量でしょうか?
どれも場合によっては大切かもしれませんが、ポップスというジャンルにおいて最も重要なのは「人と違うこと」、すなわち個性です。
「正しい発声法」などというものはポップスには存在しません。
例えば椎名林檎さんの歌を聴いて、あれが正しい発声なのかと聞かれても、ほとんどの人が「そういう問題じゃない」と思うと思います。本人が自分の表現したいように歌って、思い通りに苦しくなく歌えるならそれで良いですよね。その個性にファンがつくのがポップスというジャンルです。
ポップスに「正しい発声法」など存在しない
一般的には、ボイストレーニングを受けて「正しい発声」を身につけるのが良いとされていますよね?
ですが、そこでやるトレーニングというのは言ってしまえば「個性の矯正」です。
例えば10人が一緒に腹式呼吸を習って、歌で使う筋力の使い方を揃えれば、10通りあった個性も1つに揃っていきます。
オペラ歌手の歌い方をイメージしてみて下さい。皆同じ個性に聴こえませんか?
さらに言うと、歌番組でオペラ歌手やミュージカル俳優のような人がポップスを歌っても、各ジャンルの癖が出てしまって純粋なポップスにならないのは、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。
それはつまり、筋力習慣は必ず声(個性)に影響を及ぼしてしまうということです。
現代、ボイストレーニングと呼ばれているもののほとんどが、イタリアオペラの「ベルカント唱法」というものをベースとしています。そしてこれは、実のところ歌が上手くなる方法ではなく、「オペラ歌手を製造する」為の方法なのです。ベルカント唱法というメソッドによる筋力習慣の矯正で、「オペラ歌手」という一つの特殊な個性を持った歌い方ができる人を作り上げることができます。しかしこれはポップスとは正反対のジャンルであるオペラな上に、根本的に歌を上手くさせる為の方法ではなかったのです。
自由に歌える状態を目指そう
その点、KISSのトレーニングの究極的なゴールは「教えたことをすべて忘れてもらうこと」です。
何も考えず思い描いた通りに歌える状態、それこそがポップスにおけるアーティストレベルであると言えます。そしてそれは、呼吸機能が健全な「生まれつき歌が上手い人」しか成しえないことでした。
歌えない人にいきなり自由に歌わせたら当然下手なままであり、ボイストレーニングで矯正をかけると個性に影響してしまうというジレンマがあったからです。
KISSの東京ボイトレ法・頭式呼吸は、世界で初めてそのジレンマを解いたトレーニングメソッドだと思います。レッスンの過程で一時的な矯正をかけることはありますが、最終的に目指すのは完全に自由に歌える状態であり、「こうやって筋力を動かして歌って」とか、「こうやって空気を流して歌って」といった指示は一切忘れてもらうのです。
なぜそんなことが可能になるかといえば、KISSのトレーニングは歌の為の楽器である身体(特に呼吸機能)を根本的に改善し、「生まれつき歌が上手い人」の状態になることを目指した方法だからです。
ある意味ではボイストレーニングというより健康法に近いものだと言えます。
その具体的な理論や方法論はこのホームページにたくさん書いてありますので、ぜひ一度目を通して頂けると幸いです。
ボイトレなんて受けたこともない「生まれつき歌が上手い人」が存在する以上、歌の基礎だとか呼吸法といったものはナンセンスだと思いませんか?