プロ志望は東京からでも来る
お疲れ様、平山です。今日はつくば校から音楽制作の話題を1つお届けします。
東京校の生徒さんのK君はバンドマンです。新曲のミックスを聴いて欲しいと、つくば校までいらっしゃいました、15インチのノートパソコンを担いでです。やる気のある人・好きな事をやってる人は、荷物が増えても関係ないものですね。
あ、初めてこのブログを見た人に自己紹介を。Kiss代表の私は、元Sony Musicの音楽プロデューサーです。作詞・作曲・編曲・スタジオワークを一人でこなす、オールインワンなのでプロ志望の人からは、とっても便利なオジサンだと思っています。
新曲を聴かせて頂くと
はい、聴いてるそばから「まずいところ」が耳にひっかかります。本人は完成のつもりで持ってきています。「以前よりかなり成長したね!ただ惜しいのは〜…」。
私は必ず良いところを先に褒めます。その次に弱点も指摘して行きます。大抵プロのような作品を目指しているけど、届いていないのは本人も分かっているからです。ただ「どうしてそうならない?」それが学びです。
苦労してやっても自分ではできないから、コツを教えてあげると一気に成長するチャンスですね。苦労を重ねたから価値ある学びになったのではないでしょうか?
新曲のミックスで音の空間が足りない
「音が立体的でない」のが彼の悩みでした。誰もが最初に悩む問題です。素人でなくともメジャー作品でも…、分かっていない作品が多いですよね。
「音の空間」は「PAN・左右に音をふること」と勘違いしている場合が殆どなのです。実はそれは大きな間違いで、答えはボリューム(音の大きさ)にあります。
K君の悩みを具体的指示します。コンプレッサーを○○して!とか。1つ直ると「スゲー」と感動してくれます。私も若い頃は分からなくて散々苦労していましたから、気持ちが良く分かります。
音を操るのは数学です。それはイメージする音の世界観に対して、どうアプローチするのか?方法論はあるのです。その道筋が分かってくるのには、相当な経験が必要です。
だけどプロのエンジニアーは、絶対に秘密を教えてくれなかったな…。
分かってしまえば「なーんだ!」で終わりです。はい、ものの1時間でK君の新曲はメジャーサウンドに生まれ変わっていました。東京からわざわざ来たかいがあったね!