ボーカルレコーディングは生もの
昨日は川本ノルの新曲の歌どりレコーディングをしていました。タイトルは「Fall」です。ギターで協力してくれた井上講師も参加して、3人でボーカルレコーディングをしていたのです。
きっちり歌を録音すればOKだろうと、いつもの調子で進めていくのですが、川本ノルの歌い方・ニュアンスがイメージと…、違う…。補正しながら進めて行きます。実はこの「Fall」は大変クリエイティブな曲で、その分、冒険もしている曲です。
Fall ・滝・消す 落ちる
「Fall」は日本の雪国の田舎の「苦しさ・切なさ・恋愛」を歌った曲で、泣きそうな歌が心に染みる名曲になると思います。そしてこんな曲はメジャーでも作れていないと思うのです。無いからクリエイティブで美しいのかもしれません。
例えば音域がかなり広いです。歌いだしは1オクターブも低いのですから。 普通なら却下してしまうのですが…、その音程の低さが「苦しさ」を感じさせて「切なくて」たまららなく「カッコイイ」のです。
レコーディングが進行して行くと歌唱の設計図が見えてきます。するとカラオケ?ギターの演奏とチグハグさも聴こえてきてしまい….???。
音楽プロデューサーの私の頭の中で、このままでは私の「Fall」のイメージ・基準まで 引っ張り上げることができない…。レッスンが終わってからレコーディングしているので、もう気が付いたら深夜の0時です。
ここでアーティストやギターリストをガッカリさせないように中止を決断します。私は「今回はプリプロダクションに切り替えよう」と。「もう一回、ギターの録音から全てやり直そう、この曲を甘く見ていたようだよ」。
楽曲を何度も練習してからレコーディングするのが基礎
実は川本講師と井上講師は、元々は生徒さんでした。今は物凄い速さでアーティストへ成長しています。その途中過程であることを私が忘れてしまう程、全2曲は成功だったのです。
過信していた私の失敗ですね。やっぱりレコーディングは何度も歌いこなしてから行うものですよ。気軽にホームレコーディングができるので、その手順を欠くと上手くいかないよ!と、基本を思い知らされました。反省!
クリエイティブ さとは限界を超えること
クリエィティブさとは、自分の限界を超えることかもしれませんね。私も経験していなかった楽曲の世界観で「予想外」だったと言うことなのです。いやー、久々に失敗してしまいました。それほど「Fall」の世界観は深いのです。
だけど「何だかちょっと嬉しい」かも。何故失敗したかというと、新しい経験だったからな訳で、そんな経験をこんなボイトレ教室でできるなんて…。私達Kiss Music Records は一味違いますよ。
一般的に売れてるものしか世間は評価してくれないでしょうが、私達がやっていることは、メジャーのトップクラスにも負けないクリエイティブさ、そんな気がします。高度な音楽のセンスの難しさを痛感させられました。
これだから音楽は楽しくて止められない
簡単に言うと、音程と、音の長さ、大きさ、×鍵盤の数の順列組み合わせが感動を生む、それが音楽なのかな?そして時には「絵を書いた」ような情景や感動を伝えてくる世界。その複雑さが面白すぎます。
本当は趣味のカラオケファンの方にも、この楽しさを伝えられたらと思ってしまいます。ボイスレッスンで分かった時の生徒さんの「笑顔」をもっともっと「感動」に変えられたら良いのに…ね!