ビブラートは古い歌謡曲の手法、使いすぎると不自然になる?
ビブラートをかけることに憧れる人は多いですが、実際にはその効果や適切な使いどころを理解しているかどうかは別問題です。
特にPOPSのジャンルでは、ビブラートが必ずしも重要な要素ではないことが増えてきました。1990年頃までの日本の歌謡曲や演歌の中では、感情表現としてビブラートが使われることが多かったですが、現代のPOPSではクリーンでピッチに忠実な歌い方が好まれる傾向が強いですよね。ビブラートを頻繁に使うと、むしろ音程が不安定に感じられることもあります。
ビブラートは喉周りの筋力でコントロールされるものですが、筋力を過剰に使うと音程が不安定になったり、正確なピッチを維持するのが難しくなることがあります。その結果、音が「下がる」ように感じられ、正確な音程に届かなくなってしまう人が多いのも事実です。
また、ビブラートは音域の高さによってもかけにくくなることがあります。高音域に行くほど声帯の張りが強くなり、ビブラートのための微細なコントロールが難しくなるため、特にPOPSやKeyの高い曲ではビブラートの使用が減少しているのも納得です。
ビブラートは美しいテクニックですが、必ずしもすべての音楽に適しているわけではなく、どの場面で使うかを見極めることが重要ですね。